活動成果

研究不正に関する調査・審査の標準化に向けて

 研究不正の告発を受けると、研究機関ではその内容に応じて研究不正の調査委員会が立ち上げられ、調査が実施されます。その際に問題となるのは、調査を担当する担当者や委員らによって、経験も方針も異なるということです。調査は文部科学省等のガイドラインに基づいて実施するものの、詳細が定められているわけではなく、調査委員会ごとに不正認定の基準に差が生じてしまう可能性は否定できません。

 APRIN医生命科学系分科会では、こうした可能性を防ぎ、各研究機関の担当者及び委員に任命された研究者を支援する目的で、この分野で経験の深い方々22名にお集まりいただき「研究不正調査標準化会議」を開催してきました。15回の会合の中では、欧米紙のエディター、米国の政府機関経験者、日本の政府機関の方々のご意見も参考にさせていただいております。

 そして、研究不正調査を実施する際に考慮すべき内容の考慮事項をまとめ、国際会議等での報告を行ってきました。この度、それらの成果の集大成とも言える内容が、研究公正の領域で国際的にも評価の高い学術誌 Accountability in Research に掲載されました。

 APRINでは日本での研究不正調査の標準化を祈念し、同誌に掲載された論文を邦訳しました。研究機関において不正の疑惑が生じた際に、どのように対応し、どういう手順で、どのような事に配慮しながら、何をもとに判断していくのか、といった点を、分かり易く解説していますので、ぜひ参考になさってください。

研究不正の告発の調査における考慮事項(和訳)(2020年11月26日更新)

 研究不正調査に際しての考慮事項についての英語論文を日本語に翻訳しました。

研究不正の告発の調査における考慮事項(2020年11月26日更新)

 研究不正調査に際しての考慮事項について議論を行い、英語論文にまとめ、2020年5月に国際誌に掲載されました。論文はオープンアクセスになっています。

着眼点および自己チェック項目(2019年4月24日掲載)

「研究不正調査に際しての着眼点および自己チェック項目-調査の手続きと報告書の標準化に向けて」が『学術の動向』2018年12月号に掲載されました。

研究機関内における研究不正に関する調査・審査の標準化を目指して、APRIN研究不正調査標準化会議において、国内外の有識者・政府関係者からご意見をいただきながら作成した「研究不正調査に際しての着眼点および自己チェック項目-調査の手続きと報告書の標準化に向けて」の記事が『学術の動向』12月号に掲載されましたので、ご覧いただき、研究機関での研究不正に関する調査にご活用ください。

また、わが国における研究不正対策に向けた活動を海外にも知っていただくとともに、国際的な不正調査における標準化への布石となることを願い、同記事の英文化を図り、英文解説記事が、”How to investigate allegations of research misconduct: A checklist”がRetraction Watch (2019/1/8付)に掲載されました。