教材利用

CITI Japan教材の特徴

 今日、eラーニング教育が様々な場面で取り入れられている理由は1)教育内容の質の保証と均一性、および2)高い費用対効果が主なものですが、米国において教員の自発的な活動として始められ、今日では世界各国で利用されているCITI教材もそれに違わず、教員不足の中でこれらの条件を満たす現実的な選択として2000年に誕生しました。当時は、急速な科学研究の発展とともに生じた研究の方向性に関する懸念、そして分野の広がりと資金獲得競争の激化に伴う研究者の行動面への懸念が各国で深まり始めていた時期でした。
 わが国の教員数は米国の約1/4と推定され、研究分野での倫理教育という新しい領域では更に教員不足は否めません。わが国におけるこの領域の教育においては、eラーニング教育の一段と高い役割が期待されます。そうした中、貴重な人材を有効に活用して、質の高いeラーニング教材をいかにして作成するのか、という課題に取り組んで生まれたのがCITI Japanの教材です。

 米国にはeラーニング教材利用の歴史があり、CITI等の教材には既に多くの専門家の知恵と、利用者からの意見が取り入れられていることから、CITI Japanでは、「誰に、何を、どの程度、どのように」教えるかという教育技術を、まず、翻訳の形で取り入れます。次に、法律、指針、文化、歴史、思想をわが国に則したものとするため、わが国における各研究分野の専門家、および数少ない研究倫理の専門家の意見を投入します。その上で、欧米の研究者と共同研究・共著を行っていくために必要なグローバル性を担保するため、最後に、米国CITIによる査読を行った上、ネット上に掲載します。なお、放射性物質の取り扱いといったわが国特有な規制等がある領域については、わが国オリジナルな教材を作成しています。

 ちなみに、日米欧の政府指針および国際学術誌の著者向け要項を読み解くと、わが国の研究者が国際共同研究を行う場合、そして国際学術誌に投稿する場合、これらの指針や要項が求める研究者の倫理規範に精通していることの必要性に気付きます。海外の指針はわが国とは異なる法的拘束力を持つものもあります。CITIの教材が各国で利用されるに至った背景でもあるこういった点が、グローバルな視点を持つCITI教材が世界で広く利用される理由です。