【開催間近】「2020年度全国公正研究推進会議」セッション内容のご案内

2021年2月10日付で、APRIN事務局より維持機関会員・賛助会員の窓口担当者の皆様へ
以下のメールをお送りいたしましたのでご確認ください。


一般財団法人公正研究推進協会(APRIN)

維持機関会員・賛助会員 窓口担当者 各位

 

(※このメールはAPRIN 維持機関会員・賛助会員の窓口担当者の皆様へ

お送りしています。

教員・研究者の先生方よりAPRIN事務局へ、本イベントに関するご案内が

手元に届いていないとのご連絡を頂いております。

大変お手数ではございますが、教員・研究者の先生方をはじめとする

eAPRIN受講者の皆様、研究倫理教育担当の皆様等へ

転送していただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。)

 

平素より大変お世話になっております。

APRINより会員の皆様へのお知らせをお送りいたします。

 

APRINが主催をしております「2020年度全国公正研究推進会議」の開催まで

2週間をきりました。本メールでは各セッションの内容をご案内いたします。

参加登録は当日も受け付けておりますので、

本メールをご一読の上、是非、参加をご検討くださいませ。

 

・「2020年度全国公正研究推進会議」概要

開催方法:オンライン(ライブ配信、一部オンデマンド配信)

日 時:2021年2月19日(金)10:00~18:25

参加費:無料(特設ページより事前参加登録をお願いいたします)

 

・セッション内容のご案内(タイムスケジュール順)

■10:00~12:00 サテライト・イベント企画1

「コロナ禍でどのように研究倫理教育を行うか」(研究倫理教育担当実務者向け)

昨年度のサテライト・イベント企画1では会員機関の取組み例や

現場での課題・ 対処法などをご紹介頂き、活発な意見交換が行われ、

終了後には大勢の方が名刺交換をしていました。

今年度はコロナ禍で名刺交換はできませんが、大変ご好評をいただきました

このイベントを継続してオンラインで開催し、現場の問題意識に基づいた

情報共有と意見交換を行います。

COVID -19 が世界規模で蔓延している今、研究倫理に携わる中で

皆様それぞれが新たな課題に直面していることと思います。

本企画では、「研究活動を“支援” する」という観点から、

研究倫理教育・研究公正を取り巻く問題や様々な取組みについて、

今後の活動に役立つ情報交換等の場にして頂けたらと思います。

 

■10:00~12:00 サテライト・イベント企画2

「研究公正の風土の定着のために」(研究者・研究倫理指導者向け)

研究公正の世界会議(World Conference on Research Integrity)では

大会ごとに何らかの原則や計画を発表しています。

2019年香港大会で検討され、後に正式に発表された「香港原則」は、

業績評価への競争を研究不正の一因とみなし、機関内での研究者の行動を

適切に評価する必要性を訴えています。これは近年、研究計量の分野で

提唱され、広く支持されている「ライデン宣言」に通じるものです。

果たして、このような動きは日本の研究機関の実情に適用できる

ものなのでしょうか。すでに取り組んでいるとしたら、

それと研究不正の関係はどのように考えられるのでしょうか。

研究の公正性を推進するために必要な取り組みを識別するため、

本イベントでは参加者の皆様から各研究機関での状況に関する情報や

皆様の印象を収集し、議論してみたいと思います。

 

■13:00~15:10 全体会(開会挨拶、基調講演、APRINからの連絡他)

基調講演1「データシェアリングによる医療の課題解決と生命倫理の4条件:
新型コロナ研究を例として」末松 誠(慶應義塾大学医学部医化学教室 教授)

1つの病院で抽出されるデータを活用するだけでなく、多くの病院や

研究機関が協力し、ブロックチェインやコンソシアム方式でデータを

シェアできれば、新型コロナの変異株情報をナレッジベース上で

ほぼリアルタイムで共有できる。

英国が変異株情報の把握を迅速に行えるのは、国全体が同一の

ゲノム解析コンソシアムを構築してきたことと、患者の生命と財産を

守るためには、疾病流行時に患者のデータを使えることが法律で

定められていることが大きい。では日本はどうか?

慶應大学病院では90例の変異株情報を11月に国際データベースに公開し、

11月24日にmedRxivに日本の第2波~第3波を構成したと思われる

変異株のNon-synonymous mutationを同定、公表した。

臨床タグ情報を一括して研究に使うことによって多くの患者の命が救える

可能性を否定することは、生命倫理の第3原則、第4原則に反する

ことではないか?

講演では実体験に基づいてそういった議論ができれば幸甚である。

 

 基調講演2「安全保障輸出管理の経緯、現状と課題について」
中田 修二(東海大学総合科学技術研究所 客員教授)

教育・学術研究機関において国際交流活動は欠かせないものである。

一方で機微な科学技術情報等が外国へ流出することが懸念されており、

安全保障輸出管理への対応が求められている。

研究開発成果の大量破壊兵器等への転用防止、研究の健全性・公正性の

自律的な確保といった観点から、科学技術情報の流出対策が必要とされている。

安全保障輸出管理は、教育・学術研究機関の国際交流活動における

リスクマネジメントの一環と見ることができる。安全保障輸出管理は

日本の教育・学術研究機関では10年前頃から取り組みが開始した。

本講演ではこれまでの経緯、現在の状況と課題を紹介する。

最近の米国、中国の覇権競争により安全保障は厳しさを増しており、

日本にも影響が及んで来ているが、これらの動向も併せて視る。

 

■15:30~17:00 分科会1~4

分科会1 医生命科学系分科会「COVID-19に学ぶ緊急時の研究倫理」

COVID-19のパンデミックに対して、世界各国が国を挙げて、

治療薬およびワクチンの開発を進めており、国の支援を受けて

急ピッチで開発を進めている状況にある。

治療薬やワクチンへの国民の期待は強く、国はそれらの開発に迅速性を

求めざるを得ない状況にある。特に、今年春の第一波においては、

我が国全体がパニック的な状態に陥り、COVID-19に係る研究者や医療者も

かつて経験したことのない大変な状況に陥ったのは承知の事実である。

一方、安全性や有効性が十分に確認されていない試験薬やワクチンを

使用される研究対象者の安全の確保は不可欠である。パンデミックという

緊急事態にて行われる研究は迅速性と研究対象者保護の両立という

研究倫理的に困難な課題をクリアしなければならない。

本シンポジウムでは、COVID-19研究に実際に携わっている研究者、

法倫理社会的課題(ELSI)の専門家というCVID-19研究に関わる様々な

立場の方に講演をしていただき、COVID-19研究に係る研究倫理上の課題、

および解決策について考えていきたい。

 

分科会2 理工学系分科会

「COVID-19 の経験から得た研究・教育の新たな課題」

理工学系分科会委員長からの最近の活動状況の報告につづいて、

COVID-19の経験を通して顕在化した専門家の発言・行動および

教育機関や授業での感染対策の課題を議論する。

専門家の発言・行動については、COVID-19への発言の中には

社会的混乱を招いたケースもあり、専門家の倫理的行動への課題を

改めて明らかにする。

教育機関での感染対策については、大多数の教育機関では

パンデミックへの備えが無かったことで教育現場に混乱を招き

その対策に多大な苦労を経験したが、その事例として東京都市大学での

対応と今後の課題を紹介する。

また、全国のほとんどの大学がオンライン教育を採用したが、

その様々な経験を共有して改善を図る活動として行われた

国立情報学研究所主催の20数回におよぶシンポジウムでの内容を紹介し、

今後のネットワーク活用の可能性や課題を明らかにする。

 

分科会3 人文学・社会科学系分科会

「コロナが変える?コロナで変わる?人文学・社会科学における研究公正と研究の質」

2020年のコロナ禍によって、人文学・社会科学系の学会や研究会、

シンポジウムも大きく様変わりした。通常5月、6月に集中する学会

の大会については、開催時期を(時に大幅に)ずらしたうえで、オンラインに

切り替えるところが多かったようだ。その後もオンラインによる学会運営は

確実に広がり、今に至る。

オンラインという新たな手法は、人文学・社会科学系の「研究の質」と

どのように関わっているのだろうか。たとえば、フィールドワークのように、

対面を当たり前としてきた研究者はコロナ禍とどのように向き合ってきたのだろう。

窪田幸子氏(日本文化人類学会会長・神戸大学教授)による

「コロナ禍におけるフィールドワーク研究の実施と課題(仮)」という

興味深い話題提供を受けたのち、分科会の議論を広く人文学、社会科学の

研究実践に開き、オンラインと研究の公正性との関係を検証してみることにしよう。

 

分科会4 中等教育における研究倫理の教材作成分科会

「高校生のコンテスト参加と研究の公正性」

中等教育と大学教育との橋渡しとして、高大連携、科学コンテスト、

サイエンスキャンプなど様々な取り組みがなされている。

こうした現場では、研究倫理に関連して様々な課題があることが

認識されている。

APRIN中等教育における研究倫理に関する教材作成分科会では、

中等教育における研究倫理「基礎編」(2018年12月)、

続編の「実践編」(2021年1月予定)を刊行し、関連の活動をしている。

今回は、「高校生のコンテスト参加と研究の公正性」をテーマとし、

中等教育の現場や中等教育と大学教育の接点の等で活発に活動

されている方々のお話を伺い、現場から見える 中等教育における

研究倫理の問題点や取り組むべき事柄などを議論する。

また、コロナ禍で研究教育環境が大きく変容していることから、

この観点からの議論もし、今後の研究倫理教育のあり方を探る。

 

■17:20~18:25 全体会(パネルディスカッション、閉会挨拶)

パネルディスカッションのテーマ:

「COVID-19 を経験した世界のニューノーマルな公正研究と教育」

(分科会1~4の報告を含む)

 

各セッションの内容に関するご案内は以上です。

登壇者詳細、各セッションのオンデマンド配信の有無、参加登録方法等については

特設ページをご確認ください。

・「2020年度全国公正研究推進会議」特設ページ: https://med-gakkai.jp/2020aprin/

 

参加登録は当日も受け付けております。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。